「翌日、総攻撃するので降伏を申し出てください」
新政府軍・黒田清隆は旧幕府軍側に使者を送るが、
旧幕府軍・榎本武揚はこれを丁重に拒んだ。
このとき榎本は、黒田に一冊の本を送っている。
「戦火で焼失させるには惜しい本です。
必ず日本海軍のお役に立つ本です。
どうぞ新政府でご活用願いたい」と。
黒田は感動した。
そこで黒田は、
「確かにお預かりしました。
武器弾薬の不足はありませんか?
不足なら届けます」
と申し添え、お礼に酒五樽とマグロ五本を送った。
榎本は”敵将がそんな人物なら、降伏してもよい”と
ついに降伏する。
降伏した榎本を、政府内部が全て
死罪にという流れの中で、黒田は唯一人奮然と
「罪は赦されるべきである」と主張した。
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